自分の目で見たもの、耳で聞いたもの、舌で味わったものは信頼に足りうる
情報である。むろん、自分自身の五感で感じたことなのだから当然なことだ。
「自分の目で見て耳で聞いたものであれば信じる」といった台詞があるわけ
だが、かなり現実的ではない言葉ではなかろうか。

 

人間が入手している情報はほとんどが伝聞によるものである。新聞やテレビ
は情報を集積して、読者・視聴者に伝える役割を果たしている。フィルター
を通してはいるものの、噂が最大の情報だった時代と比較すれば瞬時に情報
を多数に提供出来る環境が整っている。要は一般の人間にとってはメディア
が最大にして唯一の情報源となっているわけだ。噂の類は写真週刊誌で生き
残っているが、ゴシップはしょせんゴシップである。

 

自分の足を使って手に入る情報など、ほんのわずかなものにすぎない。常に
メディアが本当に必要な情報を提供しているわけでもない。能力として求め
られるのは、情報の「選択」と「整理」。理解するのは後からでも十分に間
に合うのだ。自分にとって必要であるか否か、判断はそれからで良い。