ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が天に召された。宗教を認めない共産主義体制
下のポーランドで生まれた法王は、冷戦期には明確に共産主義への対決姿勢を見
せ、宗教指導者としてだけでなく世界をまたにかける「政治家」でもあった。大
多数の日本人、俺も含めてだが「敬虔」なカトリック教徒ではないものの、法王
の果たした役割を考えると、冥福を祈りたい。

 

宗教的シンボルを失ったカトリック教徒の方々の喪失感は、それはとても大きな
ものであろう。だが、法王亡き後に残されたカトリック枢機卿達は新法王を選
出する「生臭い」作業が待ち受けている。空白の許されない聖職だけに、悲しん
でいる暇はない。冷戦体制の崩壊に一役を買った前法王と、何かにつけて比較さ
れる新法王もスタートから難しいことではないか。

 

ヨハネ・パウロ2世はリベラルに傾いたカトリック教会を保守に「反動」させた
が、中絶やコンドームを認めない方針は若者のカトリック離れを招いたともされ、
新法王の方針は「反動」としてリベラルに傾くのか、注目すべきだろう。結局、
大多数の日本人には一切関係ない「外国でのお話」にすぎないわけであるが・・・