昨年、ペナントよりある意味盛り上がったプロ野球の球団合併・新規参入であった
が、改革元年とされた今年の出足はどうかと言えば正直芳しいものではなさそうだ。
新規参入を果たした楽天の試合にはさすがに注目が集まってはいるものの、収益の
ベースとなる観客動員は2万人にも満たない数字だ。すでに昨年の優勝チームであ
るライオンズの試合は早くも1万人を割る始末だ。

 

また、セ・リーグにとって黒字を達成するために必要な巨人戦の視聴率も開幕戦で
13.5%程度。視聴率という価値基準でしかコンテンツの価値を計れない現状で
は、放映する側も高い金を払う理由がなくなる。改革を叫ぶ割には、相変わらずの
巨人戦頼みでは掛け声倒れに終わるだろう。セ・パの交流戦がどれだけ活性化に
つながるのか、初めての試みだけにきっちりとデータを残して欲しいものだ。

 

1リーグ制への移行を免れたとは言え、各球団の台所事情は厳しいことに変わりは
無い。花も実も無き「改革」で今年一年が終わるなら、ストライキまでして手にし
たのは虚像でしか無かったことを選手自らが証明することになる。シーズン中だろ
うが、青写真を描く必要性に迫られていることを忘れてならない。