7日付の産経が社説(主張)で朝日の教科書問題への報道が、扶桑社1社だけ
を狙い撃ちしたバランスを欠いた報道をしている、と書いたことで朝日側も8
日の社説でこれに反論した。内容を読むと「歴史の光の面を強調しすぎて影の
部分がおざなりになっており、その落差が他社の教科書に比べて際立ち、バラ
ンスを欠いている」としている。

 

さらに「だれでも自分の国を大切に思う気持ちに変わりはない。しかし、同時
に他国の人たちに十分目配りをしなくてはならない。そうでなければ、正しい
歴史を次の世代に伝えることにはならない。私たちが批判したのはそのことで
ある」と続き、これまで通りの朝日の主張を繰り返している。明確に扶桑社の
教科書を教室では使うにふさわしくない、とも書き4年前同様に不採択キャン
ペーンを展開することであろう。

 

扶桑社の歴史教科書が朝日の言う「影の部分」をおざなりにしているのか、実
物を見ないと何とも言えないが、要は朝日の主張してきたことにそぐわない内
容なのだろう。他社の教科書でもいわゆる「従軍」慰安婦・「強制」連行の記
述が減ったことへの「憤り」も感じられる。自ら率先して世論を「啓発」して
きた事柄があっという間に教科書から姿を消し、頼れるのは外国、と言っても
韓国と中国の2国の「内政干渉」のみである。

 

朝日の社説に同調すべきは、扶桑社の営業担当者が検定中の教科書を各地の教
員に渡していたことだ。これは常に「公正」を求められる検定に影響を及ぼす
行為である。これについては反省してもらいたいものだ。まぁ朝日も教科書問
題への社説だけでなく、2日付のNHK番組「改変」問題についての産経社説
にも是非答えてもらいたいのだが・・・(苦笑)