日本政府が東シナ海のガス田開発の試掘権を民間業者に与える手続きを開始し
たことについて、中国外務省の秦剛・副報道局長は十四日、「中国の権益や国
際関係の原則に対する重大な挑戦だ」と、日本を強く非難する初の公式コメン
トを発表した、とのこと。

 

さらに、秦副局長は「この海域の境界をめぐる争いについて、中国は一貫して
外交交渉による解決を主張している。日本は中国の正当な主張を無視し、(日
中)中間線を境界とする一方的な主張を中国に押しつけているが、中国はこう
した主張を受け入れていないし、受け入れることはできない」と反発しており、
中国のこの海域におけるガス田開発を正当なものと主張している。

 

日本も30年以上、民間業者への試掘の許可を放置してきたことは正に海底に
眠る資源を放棄してきたことに他ならない。第一、中国の主張する境界線には
尖閣諸島が当然含まれているわけで、これも「一方的」な主張である。最も妥
当であろう中間線による確定も、結局尖閣諸島の領有を中国が主張する限りは
出来はしない。つまり、日本側も中国同様に試掘を行わなければ資源だけでな
く、領土も失いかねない事態を招くだろう。

 

海洋調査もせず、中国の常に後手に回る対応は何とかならないものか。先手を
打つことが出来ないなら、泥縄式に対応するのではなく、せめて何らかの策を
用意しておくべきだ。渇望してきた資源が30年以上も前からわかっていなが
ら放置してきた罪は重い。我が国がなぜ先の大戦に突入せざるをえなかったか、
亡国の徒は忘れてしまったのかもしれない。