JR福知山線で起きた脱線事故は、100人超の方が亡くなれた可能性がある
とのことだが、まずはこの痛ましい事故に巻き込まれ亡くなられた方の冥福を
祈りたい。軽量化のため車輌はアルミ製と思われるが、それを差し引いても激
突したマンションにへばりつくように曲がった車輌に、衝突の凄まじさを見る
ことが出来る。

 

我が国に鉄道が導入され、約130年程度かと思われるがその進歩は実にめざ
ましいものであった。国土が狭いこともあり、鉄道網の整備がしやすかったこ
ともあるはずだが、それだけでなくほぼ定刻通りの運転が出来て当たり前とい
う環境を利用客に提供している鉄道会社は正に世界最高であろう。少しでも遅
れれば利用客からクレームの嵐がくるのは確実であるから、ダイヤを守るのは
会社側にとっては至上命題である。

 

思えば我が国も当初は外国の技術を導入し鉄道を引いたは良いものの、この
「ダイヤ」作りは一から試行錯誤して構築していった。その外国の鉄道と言え
ば、定刻通りに来ないのが当たり前が罷り通っておりと聞く。ダイヤを作成す
る人を通称「スジ屋」と呼ぶらしいが、これは日本が世界に誇って良い専門職
であると言いたい。むろん、遅れて当たり前が容認されているお国柄も、決し
て悪いものではないと付け加えておく。

 

利用客の要求に応えるのが、鉄道だけでなくサービスや物を提供する側にとっ
ては当たり前のことである以上、運用する側に負荷がかかるのは止むを得ない。
ただ、その負荷を何処まで軽減できるかを考えるのも必要である。負荷が許容
量を超えれば、いつでもパンクは起きるのだ。