中国の王毅駐日大使は27日、自民党の外交調査会で講演し、靖国神社参拝問
題について「かつて政府の顔である首相、官房長官、外相の3人は在任中に参
拝しないという君子(紳士)協定があった」との認識を明らかにした。そのう
えで「政治家が参拝するのは構わないが、政府を代表する3人は参拝すべきで
ない」と語り、小泉純一郎首相の参拝中止を重ねて求めた。

 

王毅駐日大使は、紳士協定は1985年の中曽根康弘首相(当時)の公式参拝
後に交わされた、と言ったらしいが小泉首相は27日夜、「君子(紳士)協定」
があったと指摘したことについて「どういう趣旨で言われたか分からないが、
紳士協定とか密約とかそういうことは全くないと(聞いている)」と述べ、全
面的に否定した。当の中曽根元首相も「大使の記憶違い」とし、電話にて抗議
したようだ。

 

この「紳士協定」なるものがあったことについて、あっさりと否定された王毅
駐日大使はどう反論するのだろうか。そもそもなかったことを「でっちあげ」
たとしたらとんでもない話である。日中関係がギクシャクする中で、こういっ
た与太話を聞かされては余計に不愉快な気分になるだけだ。

 

【紳士協定】
正式な形はふまないが、履行されるものと相手を信頼して結ぶ取り決め。