第2次大戦で連合国がナチス・ドイツに勝利してから60周年を記念する式典
が9日、50以上の国・国際機関の首脳が出席してモスクワの赤の広場で開か
れた。開催国ロシアのプーチン大統領は、和解と平和を強調し、過去を教訓に
、「テロなどの脅威」に立ち向かうよう国際社会の結束を訴えた。

 

独ソ戦は言うまでもなく、第2次大戦の趨勢を決定付けた全体主義VS共産主
義のぶつかり合いであった。決して全体主義VS民主主義の戦いではなく、ヒ
トラーとスターリンという2大独裁者の文字通り国・体制を賭けた戦いでしか
ない。米英の支援を受けたソ連が辛うじて継戦能力を維持し、多方面に戦線を
抱え弱体化したドイツを破ったわけだ。

 

だがソ連はドイツ降伏後も、日ソ中立条約を一方的に破棄し満州国や我が国の
北方領土を蹂躙しただけでなく、多数の日本人をシベリアに不法に抑留、強制
労働の果てに死亡させた。また、バルト三国は戦後ソ連に併合され、91年に
独立を果たすまでは「占領下」にあったと言って良い。彼等にとっての戦後は
ほんの一昔前なのだ。プーチン大統領言うところの過去の教訓とは、ソ連時代
の蛮行も当然含んでいて欲しいものだ。

 

その式典にのこのこと出掛けていった小泉首相は、プーチン大統領に何を言っ
たのであろうか。シュレーダー独首相と一緒に「次はイタリア抜きで」とでも
言ったのなら、また一つジョークが増えることになるな(笑)あぁ、もちろん
常任理事国入りの話ね。