中国の李肇星外相は十日、北京で逢沢一郎・外務副大臣と会談、一連の反日
モで北京の日本大使館、日本大使公邸、上海の日本総領事館が受けた投石被害
などについて「中国政府として適切に対応する用意がある」と述べ、原状回復
を進める考えを表明した。被害への謝罪はなかったが、日本側は中国側が事実
上非を認めたと判断、これを補償措置として受け入れる方向で検討する。

 

中国で起きた反日デモという名の暴動によって受けた被害は、ようやく「原状
回復」となった。だが、予想通り中国政府からの明確な謝罪は無く、何となく
うやむやの内に事態は収束に向かったと言える。まぁ原潜を領海侵犯させても、
遺憾としか言わなかった国である、これが精一杯の対応としか言い様がない。
日本側も謝罪謝罪と強硬に言っても仕方ないと判断し、ここらを落しどころに
受け入れることだろう。

 

今回の反日デモで中国は改めて世界にその異常性を晒し続け、経済成長のみに
目を向けていた多くの人々に、カントリーリスクを再認識させた。そういった
意味ではこの反日デモは役立ったのではないか。決して目をつぶる箇所ではな
い、凝視すべきはこういった中国の「異常性」なのだ。