提灯記事は決して誉められたものではないが、業界紙・誌では当たり前のこと
である。1面全体が広告と記事がワンセットになったパターンから、インタビ
ュー記事を装ったパターン(インタビュアーは社長や編集長が多い)といった
ように連動して展開しているので実にわかりやすい。広告を取る=記事にする
がワンセットになっているのだから仕方あるまい。

 

その逆に広告を出稿しない企業を徹底的に叩きまくり、全国紙の総合面に広告
を打ち、電車の中吊り広告にも誹謗中傷まがいの文章を羅列し、鉾を収めるた
めに広告を出させる手法もある。広告を出したとたんに手のひらを返したよう
に褒めちぎる、これまたわかりやすいパターンなのだ。ある意味伝統的な手法
であるが、それなりに「実力」が伴わない限り出来ないことでもある。

 

それだけ広告=金の力が強いとも言える訳だが、この辺りの話は高杉良氏の書
かれた「濁流(上・下巻)」「首魁の宴」に詳しく描写されている。ペンの力
で広告を取る、えげつないまでのやり口だが・・・理不尽でありつつもそれを
防ぐことの出来ない企業側の脇の甘さも目につくのも事実である。