中国大連市の大連日本人学校で、日本から取り寄せた社会科などの副教材10
種128点が、内容に問題があるとして大連税関に差し押さえられたことが2
7日分かった。学校側は一部没収や罰金の処分を受け入れ決着したが、税関側
尖閣諸島を日本領に表記した地図など、主権にかかわる部分も問題にしてお
り、教科書にも検閲が及ばないか、関係者は神経をとがらせている。

 

これは文字通りの検閲行為ではないか。自国に都合の悪い部分は、それを教え
ているのが日本人学校であろうと(日本人学校であればこそか)容赦のない扱
いをし、自国の主張を徹底する。読んでもいない歴史教科書を「偏向している」
と言える国だけのことはあるが、日本人学校は現地の法律順守を条件に設立が
認められており、法的には中国の検閲を拒否できないとの指摘もある。

 

だが、「そういう国だから」で納得して良い問題ではないはずだ。中国が自国
領と主張している尖閣諸島を日本領にしていることや、「台湾政府」としてい
る記述などが問題視されているいようだが、事実なのだから仕方あるまい。お
そらく今後、こういった副教材で済む話ではなくなってくるのは間違いないの
だから、決してうやむやの内に終わらせて良い話ではない。