北側国土交通相は2日、北京で中国の呉儀副首相と会談し、日中関係の発展に
向けた観光交流の促進などで一致した。日本政府筋によると、呉副首相は会談
で「日本は重要な隣国だが、日中の政治関係が緊張しており、国民感情に行き
違いが出ている」と述べた上で、観光を軸とした日中の人的交流拡大の必要性
を強調した。5月の訪日で小泉首相との会談予定を取りやめ、急きょ帰国した
問題については一切言及しなかった。

 

観光交流の促進と言うが、すでに4月の反日デモの影響で、日本から中国への
団体ツアー予約が前年比50%前後まで落ち込んでいることが旅行業界の調べ
で明らかになっており、促進どころかまずは現状回復から始めなければならな
いのが、今の日中の観光交流の実態であろう。それどころか皮肉なことに、中
国から台湾へシフトする動きもあり、当面の間はこういった傾向が続くことが
予想される。

 

まぁ呉儀副首相がドタキャン事件に関して、言及しないのは折り込み済みとだ
ろうが、政治関係が緊張しているからこそ言及して欲しい面もある。むろん、
中国と言う国が明確に謝罪をするわけも無いので、それは少々高望みなことか
もしれない。いずれにしても、観光交流の促進は大いに結構である。まずは中
国側が一連の反日デモで、中国に警戒心をもってしまった日本国民の「誤解」
を解くことに尽力すべきだ。