抗日戦争勝利60周年を記念する大規模展覧会が開かれた中国人民抗日戦争記
念館の王新華館長は7日、記者団に対し「展覧は中華民族の偉大な精神を表現
するためで、民族主義をあおることが目的ではない」と述べ、展覧会が反日
情をたきつけることを目的にしているわけではない点を強調した。王館長は、
日本で中国の「愛国主義教育」に対する批判がでていることについて、「記念
館の展示を見てもらえば、われわれの立場が理解できるはずだ」と語った。

 

日中全面戦争の口火になった、1937年7月7日の盧溝橋事件。1931年
満州事変から大東亜戦争における敗戦までを15年戦争と呼称する向きもあ
るが、とかく長きに渡り日中は戦い続けてきた。未だに日本軍が武装解除した
際に中国側に引き渡したと思われるの毒ガスが、「何故」か地中から出てきた
りしてその後始末をさせられたり、厄介な問題は多々あるが今は軍隊ではなく
多くの日系企業が中国に進出し、経済・文化面での交流は大いに進んでおり、
大変素晴らしいことである。

 

その一方で、一連の反日デモ国民感情としては中国を見る目は相当に悪いも
のになった。また、小泉首相靖国参拝や読んでもいない歴史教科書への批判
もその一因であろう。それに輪をかけた形で、抗日の精神をアピールすること
は中国国民の反日感情を煽るだけでなく、再び反日感情を爆発させるきっかけ
になりかねない。コントロールの出来ないような反日感情は、中国政府にとっ
ても望ましいことではないはずだ。年中行事とはいえ、たまには休んではどう
だろうか。しょせん反日・抗日だけでは何も生まれはしない。