大田原市の教科書採択協議会は12日、大きな混乱もなく、扶桑社発行の歴史
と公民の教科書を選定した。下都賀地区の採択協議会が同社の歴史教科書を選
定し、激しい抗議行動が広がってから4年。今回の大田原市では、学校現場や
調査に当たった学校教師の意見が決め手となり、スムーズに選定作業が進んだ
という。

 

「騒ぎになるのは覚悟している。でも、子供たちのためにしっかりと選びたい」
関係者は選定前にそう語ったと言う。選定後は予想通り市役所には、反対の電
話やファクス、電子メールが相次いだようだが、まずは公正な選定作業が行わ
れたことを喜びたいと思う。教科書採択に反対するグループが「日本の侵略戦
争を美化した教科書で、学校で使うのにふさわしくない」と採択の撤回を求め
ている程度で、大田原市の騒ぎ自体は収束することであろう。

 

新しい歴史教科書をつくる会」の八木秀次会長らは13日、都内で記者会見
し、「歴史教育を正道にもどす動きが軌道に乗り始めたことを示す歴史的な第
一歩」と採択を評価したものの、あくまで第一歩に過ぎない。本来、混乱がな
くて当たり前の教科書選定の作業が、特定の勢力に阻まれるようでは公正な採
択など到底不可能なことだ。

 

ついでに、韓国は今回の大田原市扶桑社の教科書を採択したことについて、
日本の学生の保護者、知識界、市民団体など多数の人々が同教科書の不採用を
呼びかけたことを高く評価している、との声明を発表した。貴国が評価された
ような連中は、そんなに多数ではないぞと一応突っ込んでおくとしようか。