郵政民営化法案に反対した国会議員らが長野県の田中康夫知事を代表に据え、
21日、新党を旗揚げ。東京都内で開いた記者会見では、派手な演出を見せた
半面、答えにくい質問には明言を避け、歯切れの悪さも目立った。会見冒頭、
司会の荒井広幸参院議員が「党名を発表します」と告げた。顔に日の丸のペイ
ントをした若手スタッフがポスターを手に、田中知事らの背後に。全員で「日
本」と声を張り上げた。田中知事は「今の日本には夢がない。国政や地方行政
で努力してきた私たちが日本を変えていく」と訴え、結党の趣旨を説明した。

 

売名行為との批判もある中、田中知事はただの客寄せパンダに終わるか、それ
とも新党日本の善戦を助ける顔となれるか注目すべき点であろう。記者会見が
派手な演出で装飾されたものだけに、見た目のインパクトはあったかもしれな
いが、公職選挙法上の政党の要件を満たすには5人以上の議員が必要となるた
め、まず造反組への呼びかけから始めていかねばならず、やはり田中知事の知
名度を利用した戦いとなるはずだ。だが、田中知事と言う顔役に頼らねばなら
ない構図は、既成の政党が有名人を選挙に立てるのと同様だと有権者に見られ
かねない。

 

国民新党新党日本の立ち上げで完全に存在が霞んでしまった民主党は、得意
マニフェストも取り上げられることもなく、結局は選挙関連のニュースは自
民党と新党中心の構成となっている。討論番組も最初から最後まで一貫して、
見ている視聴者は少なく、ダイジェストで夜のニュースで報道されるのがオチ
なのだ。さらに致命的なのは社民党共産党であるが、これは仕方の無い流れ
だ。ひとまず前哨戦は予想以上に盛り上がっていると言えるだろう。後は投票
率をどれだけ上げられるか注目したい。