新党「日本」田中康夫代表は24日朝、東京都内で記者会見し、長谷川憲正
参院議員が国民新党を離党、新党日本に入党したと発表した。これにより、新
党日本は公職選挙法上の政党に必要な「5人以上の所属国会議員(衆院解散時
は前職を含む)」との条件を確保、衆院選小選挙区比例代表の重複立候補
や、小選挙区での政見放送が可能となる。新党日本は同日午前、東京都選管に
政党の届け出を行った。

 

新党日本国民新党郵政民営化反対派の一部でつくる「兄弟党」だが、国民
新党は17日、新党日本は21日に別々の理念を掲げて結成されたばかり。津
島恭一氏の入党で議員数に余裕の出た国民新党が「浮いた1人」を新党日本
融通したもので、政党要件目当ての「数合わせ」。両党に対する「選挙互助会
批判が強まるのは必至だ。別々の政党であるなら理念が違って当然である。一
緒であるなら、初めから一緒にやっていけば良いだけのことだ。ただ単に選挙
目的のための「移籍」を有権者が認めるわけもなく、各政党にとって格好の批
判材料を提供した形だ。

 

要は郵政民営化に造反した議員も決して一枚岩ではないため、新党結成を目論
んだ一部議員の思惑通り、反小泉の掛け声では人数が集まらなかったのであろ
う。完全な戦略ミスを露呈した両新党だが、公示前にこの体たらくで厳しい選
挙戦を戦っていけるのか、田中長野県知事を代表に据えたところで前回の選挙
では民主党ネクストキャビネットに名を連ねたことも、足を引っ張るのでは
ないか。不安材料を抱えたまま、新党「日本」は政党となったわけである。