自民党武部勤幹事長は28日、フジテレビの報道番組で、小泉純一郎首相退
任後の07年度をめどに消費税率引き上げに踏み切る考えを明らかにした。自
民党は衆院選マニフェストで「07年度をめどに消費税を含む税体系の抜本
改革を実現する」と記しているが、消費税アップに具体的に言及したことで、
選挙戦にも影響を与えそうだ。武部氏は番組後、記者団に「07年度に消費税
を上げるということではない。消費税を含めた抜本的な改革を行うということ」
と語った。

 

消費税のような誰しも「平等」に負担となる税制は、選挙に大いに影響する。
やはり直接家計に響くものである以上、消費税がアップしないにこしたことは
ないが、我が国の財政改善は早急に手を打たねばどうにもならない状態にある
のも確かである。古くは大平内閣も一般消費税導入を選挙前に発表するものの、
自民党内からも反発を受け、撤回したが自民党過半数割れに終わる。その1
0年後竹下内閣は消費税導入に成功するものの、リクルート事件もあり退陣。
その後も消費税は野党の批判材料として、自民党は選挙で苦杯をなめ続けた。

 

全国の有権者に直接影響する消費税アップは、票が逃げる恐れがありこれまで
はどの政党もお茶を濁し続けてきたわけであるが、本当に我が国を立て直すた
めに必要であれば、納得せざるをえないのも事実であろう。むろん、あらゆる
無駄遣いも同時に減らしていくことで、国民の納得を得ることが前提である。
消費税アップが避けられないのは、マスコミとて普段報道しているのであるか
ら「上げる」「上げない」だけを捉えるのは調子が良すぎるのではなかろうか。