宮城県警佐沼署の駐在所警察官刺傷事件で、強盗殺人未遂容疑で送検された同
石巻市の中学3年男子生徒(14)の同級生が同署に対し「事件での凶器の
扱い方が、生徒が遊んでいたホラーゲームとよく似ている」などと話している
ことが29日分かった。生徒の部屋からホラーゲームなどのゲームソフト類も
押収されており、同署は生徒がゲームの影響を受けて事件を起こした可能性が
あるとみて調べている。

 

同級生が同署に話したところによると、生徒が凶器の包丁の柄に粘着テープを
巻いていたのは、ホラーゲームのキャラクターが使っていた凶器を参考にした
とみられるという。このキャラクターは、2本の刃物を両手で操って敵を倒す
という設定で、2本の包丁を使った今回の事件の襲撃方法と似ている。これが
どのゲームを指すのか、心当たりは無いがホラーゲームの類はこのぐらいの年
齢の男子であれば、所有していても別段不思議ではない。

 

残虐な表現のあるゲームは常に、こういった少年犯罪に対する影響を問題視さ
れがちである。果たしてゲーム中のキャラクターと同様の凶器をプレイした少
年が「装備」して人を襲うようなことを想定して、ゲームが作られているわけ
でもなく、あくまでゲームの表現の一環としているわけである。それは映画や
テレビドラマにも言えることであり、これを真似して事件になることとどれだ
けの因果関係があるとは、そうそう言い切れるものではない。

 

青少年が重犯罪を犯すたびにテレビ等に登場する、ご高説を語る精神科医に本
当の理由がわかるものなのか。襲撃方法がどうのこうの言う前に、なぜ襲撃を
しようと考えたのか、その辺の理由を知ることの方がはるかに大事なことだ。