民主党は20日午後、両院議員総会を党本部で開き、前原誠司代表、鳩山由紀
夫幹事長ら新役員と原口一博郵政改革担当相ら中堅、若手を中心とする「次の
内閣」メンバーの人事を承認し、前原新体制が正式にスタートした。前原氏が
重視している改憲論議を担当する憲法調査会長には枝野幸男氏が留任し、新設
シンクタンク設立準備委員会の委員長に仙谷由人氏が就任した。衆院副議長
横路孝弘氏を推すことも決まった。前原氏は小沢一郎前副代表と近く会談し、
代表代行への就任を正式に要請する。

 

残念ながら新体制の船出は不安要素を抱えつつとなったようだ。大惨敗した総
選挙で選対委員長だった玄葉光一郎氏が幹事長代理に、政調会長だった仙谷由
人氏が「次の内閣」厚生労働担当に、と言うように岡田前代表と共に責任を取
るべき人間が新体制でも組み込まれており、とても出直しとは言い難い陣容と
なっている。若い前原氏が代表に就任したのであるから、新体制も今までの民
主党とは違うのだと言う気概を見せねば、民主党支持者の理解を得るのは難し
いのではないか。敗軍の将達が何食わぬ顔で、本陣に戻ってきてふんぞり反っ
ていては何のための新体制か理解に苦しみ限りである。

 

さらに民主党の前衆院議員、小林憲司容疑者ら3人が覚せい剤取締法違反の現
行犯で逮捕された事件は、さぁ出直しと言うジャストタイミングで起きたこと
もあり(おそらく見せしめだろうが)、このような人間を公認していた民主党
のイメージダウンははかりしれない。衆院議員会館の事務所でも吸引していた
とも言われ、再選を果たした03年11月の前回衆院選で、選挙カーの中で覚
せい剤を吸引してから、演説に立ったこともあったとの証言には驚きである。

 

泥舟での船出とまではいかないにせよ、前原新体制はいきなり躓いてしまった
感もある。まずは特別国会でどれだけ「魅せ」られるか期待したいところだ。