中国が東シナ海で開発中のガス田「天外天」について、海上自衛隊は20日、
P3C哨戒機が19日に撮影した写真を公開した。掘削施設の煙突から「フレ
ア」と呼ばれる炎が出ており、日本側が生産開始を確認したとする根拠になっ
たとみられる。海自によると、P3Cは19日午前11時ごろ、天外天の煙突
から炎や煙が出ているのを発見、写真撮影した。18日には炎などは確認され
なかったという。天外天は、日本側が主張する排他的経済水域日中中間線
近い中国側に位置。中国が付近でほかに開発中のガス田は「春暁」などがある
が、春暁でも掘削用のパイプが埋め込まれているのが確認されており、生産準
備が始まっているとみられる。

 

この「フレア」は東シナ海の炎として、日中間に深刻な事態をもたらすことと
なるかもしれない。外務省は21日、中国大使館に「一方的な開発は遺憾」と
抗議したことを明らかにしたようだが、中国は開発・生産の中止をするどころ
か我が国が求める地質情報の提供すら拒んでおり、世界の資源の爆食を続ける
中国にとって東シナ海に眠る資源は何としてでも手に入れようと、既成事実を
ちゃくちゃくと作り上げている。むろんこうした事態まで放っておいた外務省
を始めとする我が国の対応は問題だ。このような大規模な掘削施設が作られて
生産開始をするまで放っておいては、中国もつけ上がることだろう。

 

中川昭一経済産業相は21日の第3次小泉内閣発足後の会見で、東シナ海の日
中中間線付近で中国が生産活動を始めた問題に絡み、「民間が試掘をやるとい
う場合、何らかの危惧があるとしたら、きちんと国の役割を果たしていく」と
述べ、安全の確保など、試掘に向けた積極的な姿勢を改めて表明した。ようや
く試掘を行うまでに至ったが、我が国も国民の生命・財産を守る義務がある。
おそらく中国は実力行使をともなった嫌がらせをしてくるに違いないだろうが、
それを阻むのは我が国である。形式だけの抗議はもういらないのだ。