日本で35年ぶりの本格的な万博となった2005年日本国際博覧会、愛・地
球博が25日、閉幕した。「自然の叡智」をメーンテーマに121カ国・4国
際機関が参加して185日間、循環型社会実現のための展示やイベントを繰り
広げた。入場者数は目標の1500万人を大幅に上回る2200万5777人
を記録した。この日午後、EXPOドームでは皇太子さまや小泉純一郎首相ら
約2250人が出席して閉会式が行われた。皇太子さまは「訪れた多くの人々
の感動が全世界に広がり、地球規模の問題に立ち向かう大きな動きになること
を希望します」とお言葉を述べた。博覧会国際事務局の旗が2008年と20
10年に万博を開催するスペイン・サラゴサと中国・上海に引き継がれた。

 

当初の予想をはるかに上回る入場者数を記録し、大成功のうちに幕を閉じるこ
ととなった愛知万博だが、皇太子さまのお言葉のように地球規模の問題に立ち
向かう大きな動きとなることを祈りたいばかりである。成功して良かったで済
ましてしまっては、ただ単に馬鹿でかいイベントをやっただけであり、それで
国威発揚に利用すると思われる中国と同じで次元の万博となってしまうだろ
う。我が国には「終わり良ければ全て良し」とする風潮もあろうが、21世紀
の万博が引き続き環境配慮型の万博と成り得るかは、この愛・地球博の成功を
世界中に伝播することで初めて役割を果たせるのではないか。

 

あくまで開催期間の終わりであって、愛・地球博の真の意義は万博後から始ま
るである。それだけは忘れてはならない。