前原誠司代表は27日、党本部で中国共産党中央対外連絡部二局の李軍局長、
逍世通日本課課長らの表敬訪問を受け、意見交換した。李局長と前原代表は旧
知の間柄で、訪問は代表就任のお祝いのために行われたもので、親しく言葉を
交わした。前原代表が小泉首相が年内に靖国神社への参拝を強行した場合、日
中関係がぎくしゃくすることになるのではと懸念を示したのに対しは、「そう
いうことがないようにお願いしたい」と李局長は述べ、日本政府の慎重な対応
を求めた。

 

民主党と言えば今春の中国の反日デモの際に、小泉首相靖国参拝反日デモ
の原因であるとの批判をしたと思いきや、岡田代表王毅駐日中国大使に謝罪
を求めたりと右往左往する外交姿勢が特徴である。前原代表が日中間のどの程
度橋渡し役が出来るのかは知らないが、あくまで外交は政府が行うものである。
ぎくしゃくすることがないよう懸念するだけなら「タダ」であろう。アジア重
視を外交として訴えるのであるなら、未だに反日デモで損害を受けた我が国の
領事館や大使館の賠償、さらに謝罪を求めるのが筋ではないか。さらに東シナ
海での資源争奪戦も、これまで無策であった政府批判をするのは簡単だが、本
当に政権交代を目指すのであれば、確固たる外交姿勢を見せておくのが得策だ。

 

中国外務省の秦剛副報道局長は29日の定例会見で、小泉純一郎首相の靖国
社参拝を「私的行為」と認定した同日の東京高裁判決について「日本の指導者
靖国参拝に断固反対する立場に変化はない」と述べ、形式に関係なく参拝反
対の立場を改めて示しており、何が何でも反対反対と繰り返すのみである。だ
からこそ小泉首相靖国神社に行くであろう、参拝の時期は適切に判断すると
繰り返してきたのは、お膳立てがそろうまで待つ姿勢だったと思われる。小泉
首相を阻むものは、党内も国会内も弱体化させた以上は参拝に踏み切るのは十
分な環境は整ったのではなかろうか。