小泉純一郎首相は18日午前の閣僚懇談会終了後、前日の靖国神社参拝につい
て「国のために犠牲になった方に哀悼の誠をささげ、二度と戦争を起こさない
不戦の誓いをするためだ」などと説明し、理解を求めた。この後各閣僚からは
記者会見で、首相の靖国参拝に関して発言が相次いだ。町村信孝外相は「さま
ざまなチャンネルで、理解を求める努力をしていく」と指摘。首相の参拝に反
発している中韓両国との関係改善に全力を挙げる方針を強調した。また、「ポ
スト小泉」の一人に名前が挙がる麻生太郎総務相は「靖国問題が解決すれば、
中韓両国との外交問題がすべて片付くような幻想をわたしは抱かない」と指摘。
首相の靖国参拝を支持し、中川昭一経済産業相大野功統防衛庁長官も「自分
の信条を貫くことは立派だ」「不戦の誓いをしたという意味で理解できる」と
それぞれ語った。

 

これに対し、公明党出身の北側一雄国土交通相は「非常に残念だ。東アジアの
安定、発展に支障が出ないか危惧している」と強い懸念を表明。村田吉隆防災
担当相も「参拝を控えるよう申し上げた経緯もあり残念だ」と述べた。ポスト
小泉では、麻生氏と同様の立場にある谷垣禎一財務相中韓両国を念頭に「二
国間関係は大事で、発展させていかなければならない」と語った。このように
小泉後をにらむ上で、小泉首相が公約として靖国神社への参拝を続けてきたこ
とは、ある意味で踏み絵となりそうだ。中韓の2国のみがこの靖国参拝につい
ていちゃもんをつけてきている以上、これに屈するか屈さないかで国民感情
大きく変わってくることに間違いない。

 

あくまで国内問題として、粛々と慰霊のため靖国神社を参拝し続ける気構えが
あるのであれば、何ら問題のないことであろうが、これを外交問題として中韓
に気兼ねするのであれば今度は国民の間から反発が出かねない。曲がりなりに
も5年間参拝を続けてきたことは、歴代の首相と比較しても誉めてよい点では
ないか。ここで引けば次々に「要求」をしてくるのが目に見えている以上は、
「国のために犠牲になった方に哀悼の誠をささげ、二度と戦争を起こさない不
戦の誓いをするため」との意思を明確にし、靖国神社への参拝を理解してもら
えるよう努力すべきであろう(おそらく無理だろうが・・・)