小泉純一郎首相と前原誠司民主党代表による初めての党首討論が19日午後、
開かれた。首相は自らの靖国神社参拝に中国などが反発していることについて
日中関係靖国だけですべて規定されるものではない。総理大臣である小泉
純一郎が一国民として参拝し、平和を祈念、戦場で倒れた人に敬意と感謝の誠
をささげるものだ」と強く反論した。前原氏が「靖国神社参拝を強行し、日中
間の戦略的、包括的対話の道筋が閉ざされた」と批判したのに答えた。首相は
靖国参拝は(思想・良心の自由を定めた)憲法19条に規定されている。た
靖国参拝をやめればいい、という議論には私はくみしていない」と述べた。

 

前原氏は外交・防衛問題に焦点を絞って持論を展開し、小泉政権下の外交を「
まさに失われた4年半だ」と批判。米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)移設
問題など在日米軍再編協議に関しても「2年ぐらい遅れている。米政府はフラ
ストレーションを感じている」と指摘した。これは言い換えれば前原氏が持論
を展開出来るのは外交・防衛問題に絞られていることでもあるだろう。靖国
社の参拝に関しては、前代表の岡田氏も参拝はしないと明言しており、あくま
自民党の対抗軸として民主党が存在するのであれば、靖国神社参拝は是非や
るべきだとは代表が口に出来ない。個々の民主党議員の中には自民党により考
えが近い人もいるであろうが、まぁそれは自民党議員の中にも言えることだ。

 

前原氏は改憲論者と言う点からも、本来であれば小泉首相と連携出来る部分は
多いはずであろうが、総選挙の大惨敗の傷を回復しないまま自民党と部分的に
でも連携すればさらに民主党自体が埋没しかねない。自民党民主党も変わら
ないではないかと、本来の支持層を失うことは党勢の回復を掲げる民主党とし
ては何としてでも避けなければ同じ轍を踏むこととなる。だが一方では何でも
反対では旧社会党と何ら変わらず、政策を戦わせる成熟した議会となることが
望ましいのであろうが、これが一番の難題かもしれない。