小泉純一郎首相が17日に靖国神社を参拝してから初めての週末を迎えた22
日、中国国内では反日デモなど抗議活動は行われなかった。日本には歴史問題
で譲歩しない姿勢を示す一方、国内向けには反日感情を過度に刺激しないよう
にマスコミ報道などを制御している。デモ再発が社会不安を増幅させ、国際社
会でのイメージダウンにつながることを避けたい考えだ。北京の反日団体関係
者によると、中国当局に週末の抗議活動は申請しておらず、中国各地でも計画
はないという。同関係者は「現在はデモに関する管理が厳しい」と語り、中国
当局が反日活動に規制をかけていることを認めた。

 

中国政府は、4月の反日デモでインターネットや携帯電話によって参加呼び掛
けが拡大したことに警戒感を抱き、9月末に「ネットニュースサービス管理規
定」を公布。ネット上でニュースを提供する企業・団体に対して「非合法の集
会、結社、デモ」に関する情報を流すことを禁止するなど、ネット管理強化を
進めているようだ。4月の反日デモでは世界に醜態をさらした上に、我が国の
領事館などに破壊行為をする暴徒を止めもしない中国当局の姿が、デモを主導
しているのはむしろ中国政府かと、中国にとって好ましくないメッセージを世
界に送ることとなってしまった。

 

面子の国である中国が同じ過ちをするわけにはいかない、それがもともと管制
下にあるマスコミをさらに抑え付け、デモが誘発するのを避けているのだろう。
我が国では考えにくいことであるが、インターネットすら徹底的な管理の下に
置かれている中国では、それに歯向かってまでデモをやろうとする気概のある
連中もいない。ガス抜き程度でデモをやっているうちは良い、そのガスが爆発
するような状況になれば、中国も靖国がどうのこうの言ってられない事態に落
ち入るであろう。今回の小泉首相靖国神社参拝は、中国も4月のようには派
手に動けずやきもきしている事に間違いない。