昨年8月に北京で開催されたサッカー・アジアカップの決勝戦で中国が日本に
敗れた後、暴徒化した中国人サポーターが日本の駐中国公使の乗った公用車を
襲撃した事件で、中国外務省は25日までに、日本政府の求めに応じ、破損し
た公用車の修理代として人民元で約25万円分を支払った。「反日」暴動に中
国政府として異例とも言える事実上の補償措置を取った形だ。日中関係筋が2
5日明らかにした。

 

なぜ今更といった感じであろうが、ひとまず補償措置がとられたことは歓迎し
ておきたい。問題なのは支払い自体は7月末だったの対して、これが明らかに
なったのは10月も末である。公表されなかった理由は中国に配慮してのもの
だったのか。アジアカップでは暴徒と化した連中を抑えられてなかった中国は
世界に国際大会の管理・運営に問題ありと勘繰られた節もあり、面子を重んじ
る中国に事を蒸し返さないとの意向でもあったのだろう。特に北京五輪を控え
これ以上、無様な姿を見せられないのが本音だろう。

 

だが、4月の反日デモにおける領事館を始めとする損害については、いまだ賠
償も謝罪もなく、どちらかと言えば重要なのはこちらの方であろう。武装警察
が見守る中、要は当局公認で破壊行為が行われたのであるから、どう理屈をつ
けても中国側に責任がある。これも秘かに解決済み、とか言うのなら空いた口
がふさがらないが・・・