町村信孝外相は27日夕、韓国の潘基文外交通商相と都内の外務省飯倉公館で
会談した。潘氏は冒頭、小泉純一郎首相の17日の靖国神社参拝について「韓
日関係は未来志向で発展させなければならないが、韓国国民は失望している」
と厳しく批判した。日韓閣僚級の対話は、首相の靖国参拝後初めて。町村氏は
会談を足掛かりに日韓関係の改善を図り、年内に予定される盧武鉉大統領の来
日を確定させたい考えだ。潘氏は会談で「今回は重い心境で会談に臨む」と表
明。その上で「厳しい雰囲気の中で実現した訪日だが、北朝鮮の核問題やアジ
ア太平洋経済協力会議(APEC)成功のため協議に来た」と会談の意義を強
調した。潘氏は、日本が新たな国立戦没者追悼施設の建設を検討することを「
首脳会談の合意事項」として、前向きに取り組むようあらためて要請するとみ
られる。北朝鮮の核問題については、11月上旬に予定されている第5回6カ
国協議に向け連携強化を図る方針。

 

厳しい雰囲気の中とか何とかぬかしているが、別に来なくても良いものをわざ
わざ来たのだろう。韓国では中国のように一般国民までが狂乱的に小泉首相
靖国神社の参拝を反対しているわけでもなく、どちらかと言えば建前での反対
に終始しているのが実情のようだ。世論に乗せられたわけではなかろうが、強
硬に反対姿勢を見せたところで支持がそれほど得られないのであれば、日韓関
係の改善を図っておいた方が国益に適うと判断したと思われる。よってとりあ
えず町村外相に「厳しく」批判したと報道されれば、国内的にはそれで十分対
応出来るのであろう。言われる方としてはたまってものではないが。

 

ただ、ここで気になるのは新たな国立戦没者追悼施設の建設を検討しろと要請
してくることだ。国内でも自民党山崎拓元副総裁、公明党冬柴鉄三幹事長、
民主党前原誠司代表らは25日、靖国神社に代わる国立追悼施設建設に向け
超党派議員連盟を28日に結成することで合意しており、この問題につい
ては決して目を離してはならないだろう。あくまで戦没者の追悼を行う場は、
宗教としての靖国神社などではなく、慰霊の場としての靖国神社なのである。
それは決して他国に強要されて造営する国立追悼施設なる珍妙なるものであっ
てはならない。