小泉純一郎首相は28日夜、自民党が新憲法草案を決定したことについて「立
党50年の節目に多くの国民が関心を持ついい契機になる。自民党だけでなく
各党、国民の協力も得ながら進めなければならない。国民が議論し、どのよう
に実現していくか大きな課題だ」と述べ、憲法改正に向け国民の理解が不可欠
との認識を強調した。草案は戦争放棄を定めた9条1項を維持する一方で「自
衛軍」保持を明記し、首相の意向に沿う内容となった。首相は「2度と戦争し
ない。しかし自衛のための部隊は憲法違反と誤解されないようはっきり明記し
た方がいい」と強調した。

 

一部では自衛軍ではなく国防軍にしようとの動きもあるようだが、これは言葉
遊びの延長のようなものだろう。自衛「隊」が実質「軍」であるのだからあえ
国防軍などとする必要は無い。良く耳にする「戦争の出来る国になる」との
批判も、我が国のエネルギー事情を考えれば戦争を起こす=経済の破綻を意味
するわけで、先の大戦のようにジリ貧に追い込まれでもしない限り、領土的野
心をもって他国を、特に石油を始めとする資源の確保に動くわけも無い。安定
的に資源の輸入が出来るほどシーレーンを護る手段も無く、戦争をしようにも
資源をはじめ食糧も他国に依存している我が国にとって、わざわざ戦争をして
まで得るものは少ないだろう。

 

第一、何処の国と戦うことになると批判する方々は想定しておられるのであろ
うか。中国なのか北朝鮮なのか、漠然と「軍靴の音が近付いてくる」などと言
われたところでまったく意味の無い与太話として聞き流してしまう。実質、軍
隊であるのに軍隊として認められない、自衛隊員は本当に気の毒な存在だ。だ
が今こうして、新憲法自衛軍と明記されることが案ではあるが出てきている。
かつてならこれだけで、大問題かのようにマスコミが大騒ぎしたことであろう
が、国民は冷静に受け止めている。9条に関しては自衛隊を実情に合わす、た
だそれだけのことではないか。いちいち騒ぐことではない。