小泉純一郎首相は28日、来日中の韓国の潘基文外交通商相と首相官邸で約3
0分間会談した。潘氏は首相の靖国神社参拝について「大変遺憾に思う」と批
判。さらに「韓国政府と国民の信頼と尊敬を受けるよう真摯な努力を傾ける先
頭に立って欲しい。日韓未来志向と東北アジアの未来の繁栄のため必要な役割
を担うことが大変重要だ」と述べ、参拝自粛を直接要請した。首相は「軍国主
義を美化するものではなく戦争の反省のうえに立っている」と従来見解を繰り
返し、理解を求めた。潘氏が国立戦没者追悼施設建設の検討状況を尋ねたのに
対し、首相は「いろいろな意見があるが、国民世論を見極めながら検討したい」
と述べるにとどめた。

 

この会談で、いつぞやの王毅駐日大使の表敬訪問を思い出してしまった。あの
時もひたすら靖国神社参拝について注文をし続け、外務省の薮中三十二アジア
大洋州局長が「今回は表敬だから」と制止したと言うほどの厚かましさであっ
たわけだが、今回も国立戦没者追悼施設建設の検討状況を尋ねたりと中韓とも
に他国に土足で踏み入ってくる姿勢は変わらないようだ。靖国神社の参拝をす
ることで軍国主義の復活や過去の歴史の美化が行われるわけもなく、粛々と慰
霊のために続けていくだけであろう。戦没者追悼の施設は我が国ではあくまで
靖国神社でしかない。

 

そこに国が主導して建設することになるであろう国立戦没者追悼施設にしたと
ころで、正に形式を整えるだけの空虚なものとなるはずだ。ましてや他国に注
文をつけられて造るようなものであってはならない。それだけ靖国神社の存在
意義は日本人にとって大きなものなのである。