中国の新華社通信は31日、内閣改造について、安倍晋三官房長官を「一貫し
て対外的な強硬姿勢を主張し、小泉首相靖国神社参拝を支持してきた」と紹
介、麻生太郎外相についても「同じく靖国参拝を支持している」と警戒感を示
す一方、「穏健派の福田康夫官房長官が再入閣しなかった」と報じ、失望感
をにじませた。中国にとっては、今回の内閣改造は随分とお気に召さないよう
で、他国の閣僚人事すら我が事のように報じている姿勢は何とかならないもの
だろうか。

 

安倍官房長官は記者会見で、靖国神社を参拝するかどうかについて、「国民の
1人として、政治家として、今まで参拝してきた。今までの気持ちを持ち続け
ていきたい」と述べ、参拝する考えを示唆しており、これまで通り粛々と参拝
をしていくことだろう。これをあるんだかないんだか不明の「紳士協定」で首
相と官房長官と外相は参拝しないとの取り決めに縛られることなく、我が国の
ために戦い戦没された方々の慰霊のため、参拝していくことに何ら問題は無い
はずだ。一部では靖国神社の参拝を指示する議員が多く入閣したとの見方もあ
るであろうが、参拝しない議員が穏健派であるとの見方はどうだろうか。

 

何が何でも強硬姿勢で中国と敵対しようと言うわけでもなく、歴史認識靖国
神社の参拝のように相容れない部分が少々あるだけである。どちらかと言えば
一方的な東シナ海のガス田開発や尖閣諸島の領有を主張したりと、実利に適う
部分での解決に注力すべきだ。靖国神社を参拝したことで、日系企業が中国か
ら追い出されるわけでもなく、むしろ外資に依存する中国経済に打撃がくるこ
とは重々承知している。小泉首相の秋季例大祭に合わせた靖国神社の参拝も、
冷静に受け止めており、現実路線に舵を取りつつ国内向けにとりあえず憂慮の
意を表明したと見た方が良さそうだ。