第三次小泉改造内閣でのマスコミの姿勢は、今まで通り小泉流のサプライズを
期待し、新しいネタの提供を待っていただけに過ぎなかったようだ。改革の総
仕上げとしてポスト小泉と目される議員を閣内に留めつつ、官房長官として安
倍晋三氏を起用する。大方の予想通りいわゆる「サプライズ人事」は、当選一
回の猪口邦子氏くらいのもので、自民党三役も政調会長以外は留任と言うこれ
と言って目新しさを欠く内容に、マスコミは「実務型」としか報道出来ず、サ
プライズを裏切られた恨み節が閣僚の靖国神社の参拝の姿勢へと矛先へと変え
させたのであろう。

 

言うまでも無く、安倍晋三氏、麻生太郎氏、さらに安倍氏と共に朝日新聞のぶ
ち上げたNHK番組改変報道の「被害者」となった中川昭一氏も経産相から本
来のホームグラウンドである農相に横滑りする形で閣内に残っている。安倍氏
と麻生氏がこれまで通りの靖国神社の参拝を示唆すると、朝日や毎日は一斉に
報道。これに呼応する形で中朝韓のメディアが歴史認識靖国神社参拝に関し
て憂慮するとの報道を展開し、北朝鮮は特に安倍氏北朝鮮強硬派の右翼反動
勢力であるとこき下ろす始末である。

 

まったくもって不可解である。立ち上がったばかりの新内閣を見据えるわけで
もなく、報道の材料としてしか見ていないマスコミの姿勢は本来の言論機関と
しての役割を著しく欠いているのではないか。先の総選挙で劇場型を主導した
のは他でもないマスコミである。小泉首相にしてやられたと総括することもほ
とんどなく、相変わらず靖国靖国としか報道出来ないようではマッチポンプ
の役割も果たせるかどうか。閣僚の顔ぶれを見て「地味」としか書けないよう
では、その新聞は読む気が失せるのが普通の感覚であろう。