民主党前原誠司代表は1日の常任幹事会で、新内閣について「昨日エールを
送ったが、さまざまな問題がある。衆院選で勝った数のおごりが表れている」
と批判。「期待を込めてエールを送りたい」との前日の発言を事実上軌道修正
した。「エール」発言には幹部からも「あんまりほめちゃいけない」との声が
出ていた。この日の前原氏は「谷垣禎一財務相は07年に消費税率を上げると
言い、安倍晋三官房長官靖国神社を参拝すると言っている」と対決姿勢を強
調した。ただ、野田佳彦国対委員長は1日も「いろいろなところに目配りした
バランスの取れた人事だ」とコメントしておりちぐはぐさが余計に目立った。

 

改革に総仕上げで特にサプライズ人事も無く、難癖つけて批判したところでど
うなるものでもないと判断したのか、エールまで送ってしまった前原代表であ
ったが、党内に配慮する形で一転こじつけとも言える「衆院選で勝った数のお
ごりが表れている」との批判は、じゃあ誰が衆院選で負けたのかと言いたくな
るような微妙な内容であった。さらに野田国対委員長が新内閣を誉めており、
自民党と比較しても、まったく一体感の無い民主党と言ったイメージを有権者
に晒すこととなった。すでに「政権獲り」が相当に遠のいた現状では、せめて
一枚岩で自民党にあたるぐらいに姿勢は見せて欲しかったものだ。

 

共産党市田忠義書記局長は会見で「暮らしと平和を壊す反国民的改革を強力
に推し進める意味で適材適所。『悪政推進適材適所内閣』だ」とこき下ろし、
社民党福島瑞穂党首も「大増税改憲内閣だ。女性が2人だったのも残念」と
批判。残りの共社となるとこのように前時代的な言葉の羅列で、過去の遺物で
あることを改めて証明した形だ。まぁ「とりあえず」批判しておかないとこの
先見せ場がない立場の共社にとって、言いたいことは言っておきたいのであろ
う。野党がここまで弱体化してしまったのは、野党自身の責任でもある。それ
を放置したまま、無意味な批判に明け暮れては明日は無い。