約1年ぶりとなる日本と北朝鮮との政府間対話が3日、北京市内のホテルで始
まった。日本側が拉致問題の解決へ向けた誠意ある対応を求めたのに対し、北
朝鮮側は植民地支配などの「過去の清算」に関する協議を進めるよう主張した
とみられる。今回の協議は4日まで2日間の予定で、初日は休憩を挟んで約5
時間、夕食会も約2時間開かれた。日朝の政府間対話は、拉致問題をめぐる第
3回実務者協議が開かれた昨年11月以来。北朝鮮側が拉致被害者、横田めぐ
みさんのものとして提供した遺骨が日本側のDNA鑑定で別人のものと判明、
北朝鮮側が反発し、中断していた。

 

北朝鮮側代表の宋日昊・外務省アジア局副局長は3日の協議に入る前、拉致問
題について「日本側に多くの質問と、解決のためにできることなどを提起しよ
うと考えている」と記者団に語り、「拉致問題は解決済み」としてきた従来の
姿勢より柔軟に対応する可能性を示唆。夕食会終了後には「双方が関心のある
過去の清算拉致問題について深い議論をした」と述べた。これまでの日朝間
政府間対話が中断していたのは、全て北朝鮮の時間稼ぎとも言える不誠実な対
応の「成果」であることをまず明らかにしておきたい。横田めぐみさんのもの
であると提供した遺骨は、めぐみさんの夫とされる人物が一度土葬されたもの
を再度火葬したとされ、DNA情報の破壊「工作」を画策するなど常人には到
底思いもよらぬ方法で我が国を欺こうとしてきた。

 

政府の掲げる拉致問題の解決なくして国交正常化交渉はなし、との前提は堅持
した上でなおも誠実な対応が望めないようなら経済制裁もやむなしとの流れに
なるのはいたし方が無いだろう。安倍官房長官も会見では「この協議でしっか
りと拉致問題の解決を図っていかなければならない。北朝鮮に誠意ある対応が
なければ、われわれもいろんなことを考えなければならない」と語っており、
拉致問題だけでなく、核開発の一方的な宣言など北朝鮮が過去の枠組みなど自
国の都合でどうとでもしてしまう国家である以上、敢えて国交の正常化などを
望む理由は無い。拉致被害者だけ取り返せばそれで良いのではないか。何らメ
リットのない北朝鮮との国交正常化には反対である。