朝日新聞によるNHKの番組改編問題報道の総括記事は疑問として、「NHK
受信料支払い停止運動の会」など14の市民団体代表らが31日、朝日新聞社
に公開質問書を提出した。11月18日までに文書による回答を求めている。
質問書は、朝日新聞が10月1日付朝刊に掲載した報道総括や社長談話に対し
「NHKと政治との距離の問題が、朝日新聞側の取材の在り方にそらされ、市
民が知りたい政治介入の真相がうやむやにされた」と指摘。その上で(1)安
倍晋三、中川昭一両氏の謝罪要求を受け入れるか否か(2)取材で無断録音し
ないとの朝日の社内原則は撤廃すべきか否か(3)総括がメディア全体の報道
姿勢を委縮させる危惧はないか−など5項目について、朝日に回答を求めた。

 

うっかり見落としていたが、朝日に、「NHK受信料支払い停止運動の会」な
る心強い団体が援護射撃をしていたようだ。どの項目も朝日にとっては回答は
出来ないであろうが、特に取材では無断録音しないと言う内規をうっかり作っ
てしまっていたことを悔いていることだろう。まぁ録音された内容は、おそら
く記事にすることありきで言わば誘導尋問に近い形で、取材方法そのものが問
われることになるかもしれないが。朝日としても「真相が明らかになっていな
い」としてしまった以上、適当な形で謝罪をしておくべきであったはずだが、
勝手な幕引きはより多くの疑念を生んだに過ぎなかった。

 

ただこの団体の質問書にある(3)に関しては、メディア全体の報道姿勢を萎
縮させる危惧などとんでもない話である。記事の内容でいまいちあやふやな部
分があると朝日が認めているのだ、メディア全体の報道姿勢云々ではなくまず
問うべきは朝日の報道姿勢ではないか。勇み足で記事を書かれて困るのは報道
された側であろう、きっとこうであったに違いないと言う思い込みだけで記者
が結論ありきで取材をするようでは報道機関の自殺である。それを抜きには朝
日のぶち上げたNHK番組改変問題は終わらないのだ。