11月下旬にソウルで予定されていた日韓国会議員親善サッカーの開催が取り
やめになったことが8日、明らかになった。韓国側が、靖国神社を参拝した議
員の不参加を求め、これに日本側が反発、訪韓を見合わせたためだ。また、駐
日韓国大使館が、日韓議員連盟(会長・森喜朗元首相)や「みんなで靖国神社
を参拝する国会議員の会」(会長・瓦力氏、参拝の会)の関係者に、参拝議員
の名簿を提供するよう働きかけていたことも分かった。日韓国会議員の親善サ
ッカーを計画していたのは、日本の「サッカー外交推進議員連盟」(会長・衛
藤征士郎氏)と、韓国の「国会議員サッカー連盟」(張永達会長)。1998
年に始まり、交互に相手国を訪問し開催されてきた親善サッカーは今回で七戦
目になるはずだった。

 

これに対して衛藤会長は「(日韓関係が悪化しているだけに)親善サッカーは
最高のタイミングだと思っていた。スポーツ外交は政治や宗教の壁を乗り越え
て行うべきだ。(参拝議員の不参加を求める)今回の事態は非常に残念。近い
将来、訪韓して親善の実を挙げたい」と述べており、本来の目的であるはずの
親善目的のスポーツ外交が政治や宗教の考え方の差異により翻弄されるのは、
あってはならない事態であろう。さらに参拝議員の名簿を提供するように働き
かけるとなると首をかしげざるを得ない。慰霊の仕方はその国々によって違い、
「みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会」が靖国神社を参拝することによ
って韓国側に何の迷惑がかかると言うのか。

 

親善と政治は切り離しておくべきところを、韓国側は靖国神社の参拝に固執
結果的に問題を複雑化させていることに気が付くべきだ。中国のように政治的
なカードとして靖国神社の参拝を利用してこなかった韓国にとって、国民の間
にも靖国神社の存在は別段気にしていないとの報道もある。中国に追随してと
りあえず反対のポーズを見せているだけなら、何ら韓国に利益をもたらさない
だけでなく、むしろ不利益を被ることになるだろう。何が何でも靖国神社に参
拝するなとは中国ですら吹っ掛けてこない暴論中の暴論である。