超党派議員連盟が発足するなど国立の新戦没者追悼施設建設を求める声が強ま
る中、小泉純一郎首相は12月の2006年度予算編成を控え、建設調査費の計
上問題で決断を迫られている。新追悼施設の建設をめぐっては、靖国神社参拝に
批判的な公明党が特に強く要求しているが、首相は「今後、よく議論の推移を見
極めていきたい」と述べるにとどめている。9日に発足した新たな国立追悼施設
の在り方を検討する超党派議連には自民、民主、公明各党から約100人が参加。
首相が3年連続で調査費計上を見送れば、連立を組む公明党との間で“火種”と
してくすぶり続けることになる。

 

単純に小泉首相靖国神社への参拝を反対するだけなら、これだけ大掛かりな議
連を立ち上げる必要はないであろうが、中韓の反発に対するものであるなら合点
がいく。どう取り繕うとも中韓への配慮としか見えないわけで、近隣諸国などと
言わず中韓と具体的に国名を挙げた上で、新追悼施設なるものを議連の中で話し
合えば良いだけのことだ。小泉首相は友党である公明党の要請があろうとも、躊
躇なく靖国神社を参拝した。公明党が求める調査費の計上にも慎重姿勢を崩そう
とせず、あくまで追悼施設は靖国神社でしかないとでも考えているのか定かでは
ないが、姿勢としては一貫している。

 

この議連も「山崎氏がどういう考えでやってるのか分からないし、公明党を利す
るだけにもなりかねない」との警戒感から、当初は積極的だった前原誠司代表も
出席を見送るなど、それぞれの抱える事情は複雑なようだ。国民の誰もが求める
ものであるならまだしも、必要とされてもいない新追悼施設なるものを建設した
ところで、単なるモニュメントとして残るだけであろう。本当に必要なところに
こそ注力すべきであるのに、中韓の圧力に対する取り繕いでしかないこの議連の
本質は会長の山崎拓自民党前副総裁はあいさつから見ることが出来る。

 

「国立追悼施設は、無宗教の施設であることと、(靖国神社など)既存の施設と
両立できる、という二つの大前提がある。討議を重ねて一定の結論を得たい」
両立させてどうするのか、靖国神社があるならそれで良いと言う結論にはならな
いのか。まったくもって不可解な会が立ち上がったものである。