中国の唐家セン国務委員は23日、公明党上田勇国際局長ら同党議員団と会
談し、同党の対中姿勢について「長期にわたり日中友好関係の発展に努力して
きた」と評価した。同党が小泉純一郎首相の靖国神社参拝に批判的で、打開策
として無宗教の国立戦没者追悼施設の建設を検討していることを念頭に置いた
発言とみられる。唐氏は小泉首相靖国神社参拝を非難した上で「日中関係
困難な情勢を迎えている責任は日本側にある」とあらためて強調。これに対し、
上田氏は「首相参拝で日本外交に支障が生じている」とする一方、中国の軍事
力増強にも懸念を表明。軍事分野で両国が対話を深める必要があるとの認識を
示した。

 

日中関係がうまくいかないのは全て小泉首相靖国神社を参拝するからだ、と
でも言いたいのであろうが、決してそんなことはない。唐家セン国務委員の言
う困難を生み出していることは、東シナ海のガス田開発や周辺に脅威が無いに
もかかわらず増大する軍事費、中国を危険視する要因は多くの場合、中国側が
撒き散らしているのではないか。自らの問題を靖国神社の参拝に絡めることで
我が国のみに非があるかのごとく振舞う姿勢は、見ていて決して気分の良いも
のではない。そう言う意味では、中国側が解決すべき問題は我が国が問うべき
であろうが、軍事費のように内政干渉に当たる部分は大人の態度であえて注文
をしないことも見逃せない。

 

ただ、公明党もどこまで追悼施設の建設に積極的かは知らないが、信教の自由
が保障されていない中国と友好関係云々と言うのは創価学会としてはどうなの
だろうか。勲章や名誉市民の称号欲しさに、信心を売り払うとでも言うのなら
重大な裏切り行為であろう。バチカンが台湾との国交を維持し続けているよう
に、体制を揺るがしそうな団体は宗教団体であろうとも叩き潰す中国に警戒感
をもっているからに他ならない。ブッシュ大統領北京市内のキリスト教会で
礼拝したのも中国へのプレッシャーからである。公明党も橋渡し役に徹するの
ではなく、他にやるべきことがあるのではなかろうか。