姉歯秀次一級建築士がマンションやホテルの耐震強度計算書を偽造し、地震で倒
壊の恐れが出ている問題で、警視庁など警察当局が姉歯建築士から任意で事情聴
取していたことが7日、関係者の話で分かった。警視庁は今月5日に国土交通省
から建築基準法違反の罪で刑事告発を受け、既に単独で捜査本部を設けて捜査を
開始しており、7日午後に千葉、神奈川両県警との合同捜査本部を設置するとと
もに、来週中に関係先の強制捜査に乗り出す方針だ。関係者によると、姉歯建築
士が事情聴取を受けたのは先月下旬。聴取に対して、姉歯建築士国交省による
聴聞での証言と同様に「『木村建設』の元東京支店長からリベートを要求されて、
実際に払っていた」「鉄骨を減らすように圧力を受けた」などと供述したという。

 

ある程度の真相を知っているであろう姉歯氏が公の場に姿を見せなくなったこと
は、身の危険を感じてのことであろうが、すでに多数の被害者を生んでいる以上
は、洗いざらい喋って欲しいものだ。偽造を要求されていない物件でも、勝手に
構造計算書を改ざんしたと周辺関係者に打ち明けていたことが分かっており、ま
だまだ問題の物件が掘り出されてくることが予想され、如何に検査機関が機能し
ていなかったが露呈されることだろう。黒幕と指摘される総合経営研究所の所長
内河健氏のような人物まで舞台に登場し、どこまで続く腐敗ぶりにただただ呆れ
るばかりである。

 

国会の場に出てこない姉歯氏、内河氏に対して衆院国交委は証人喚問の実施を決
めいよいよ核心に迫ろうとしている。住民の不安を一刻も早く取り除くためにも
追及の手を休めてはならない。