新華社電によると、中国河北省唐山市の炭鉱で7日午後3時半頃、ガス爆発事
故があり、同日夜までに54人が死亡、ほかに多数が行方不明となっている模
様。中国ではエネルギー不足を背景に、無理な操業による炭鉱事故が相次いで
おり、先月27日に黒竜江省七台河市の炭鉱で死者171人の爆発事故があっ
たほか、今月2日には河南省の炭鉱で出水事故が発生し、42人が行方不明に
なった。同日には貴州省でも複数の事故で16人が死亡、3人が不明になって
おり、事故に歯止めがかからない状況だ。中国政府は安全性に問題のある炭鉱
に閉鎖を命じるなどしており、繰り返し安全確保を呼び掛けているが、石炭需
要が増える冬を迎え、開発優先の地方が従わないケースも多いとみられている。

 

世界の天然資源を喰らい尽くす勢いとも例えられるほど中国のエネルギー需要
の伸びは凄まじいのであろう。我が国のように環境技術が整っていれば非常に
効率的な資源の使い方が出来るのだが、中国ではそのようなことは省みられず
経済を優先するあまり、安全や環境を軽視する姿勢があると言っても良い状態
にある。これは隣国としても看過出来ることではなく、かつて公害を経験した
我が国の技術が活かす場としても利用したいところだ。先日起きた化学工場の
爆発で多量の化学物質が流出した際にハルビン市は事故の翌日、川の汚染を確
認したのに公表せず、ようやく断水に踏み切ったのは、事故発生から8日後だ
ったが、これも「水道管補修のため」とうそをついてまで情報を隠蔽しようと
したのである。地方が中央政府の統制を外れ、周辺国に多大な被害を与えてい
る事態を中国共産党はどう考えているのだろうか。

 

先進国では有り得ないだろうと言う劣悪な環境の中、事故が起き汚染が進んで
いく中国。このまま続くと思われる経済成長を破綻させないために、今の現状
は決して望ましいことはではないにしても、ストップをかけられない中央政府
だが後に残ったのは人も住めない汚染された土地だけ、と言う最悪の事態だけ
は回避して欲しいものだ。