民主党の前原代表は11日、北京の釣魚台国賓館で、中国の唐家セン国務委員
と会談し、中国の東シナ海でのガス田開発について、「開発を停止しないので
あれば、試掘を行うための国内法を整備しなければならない。与党が来年の通
常国会でこうした法案を出せば、民主党との共同提案になる可能性もある」と
述べた。自民党がガス田開発などにおける安全確保を目的とする法案を通常国
会に提出した場合、民主党も同調する可能性を示すことで、中国のガス田開発
をけん制したものだ。これに対し、唐氏は「(これまでのガス田に関する日中
政府間協議の)交渉の勢いを保ちつつ、適当な時期に次回協議を行う用意があ
る」と述べるにとどまった。

 

一方、唐氏は小泉首相靖国神社参拝について、「日中関係は国交正常化以来、
最も困難な状況にある。歴代の首相は(参拝見送りが)できていたのに、小泉
首相はなぜできないのか」と改めて批判した。民主党の自主外交とでも言おう
か、前原代表が米国に行ったり中国に行ったりとご苦労なことである。きちん
国益を踏まえた上で、中国のガス田の一方的開発に釘を刺したりするのは結
構な話ではあるが、小泉首相靖国神社参拝について批判された際に何故「そ
れは我が国の内政に関することである」と軽くいなすことが出来ないものか。
どうあがいてもしばらくは野党暮らしなのだから、ここでポイントを稼げとま
では言わないにせよ、はっきりと言うべきことを言えば国民が民主党を見る目
も少しは変わることだろう。

 

未だ引きずる衆院選の惨敗を払拭しまずは政策論争の場に自民党を引っ張り出
せるかは、弁護士法違反事件で逮捕された西村真悟議員や政策秘書の公職選挙
法違反事件で辞職を表明した五島正規衆院議員と自党のゴタゴタを収めてから
となりそうだ。民主党独自のシンクタンク「公共政策プラットフォーム(プラ
トン)」を立ち上げたのもつかの間に立て続けに不祥事とは、実に皮肉なこと
である。民主党の再生はいつのことになるのだろうか。