共産党志位和夫委員長は13日午後、京都市内で記者会見し、米中両国を歴
訪した前原誠司民主党代表の外交姿勢について「海外での武力行使のための憲
法改定を米国に行って約束してくる。大変な売国外交だ。中国を脅威とみて言
い募るのは本当に有害だ」と強く批判した。自民、民主両党の「大連立」構想
についても「日米同盟絶対論でどちらが先に行っているか甲乙つけ難いぐらい
の競争をしている。事実上は(既に)大連立という状況になっている」と指摘。
小泉純一郎首相が、靖国神社参拝を理由に首脳会談に応じない中国側を批判し
たことに対しては「こういう議論を続けることがアジア諸国の日本への批判を
強め、問題解決を困難にしていることを(首相は)知るべきだ」と述べた。

 

まだこんなことを言っているのかと思えば、共産党なら仕方なしと言ったとこ
ろか。民主党は確かに野党第一党ではあるものの、党勢から言えば弱体化して
おり、さらにもともと自民党以上の寄り合い所帯の性から党内の意思統一が全
く出来ていないのが現状だ。前原氏が代表になったところでその傾向は変わる
ことなく続いている。そんな中で、前原代表としては歴訪した米中で持論を展
開することで、少しでも民主党に目を向けさせるための努力をしただけのこと
であろう。何でも反対の野党ではなく、自ら考え行動する野党であるために持
論の憲法改正をぶち上げ、さらに中国を脅威とみなし軍事費の拡大を批判した。
共産党が批判するまでもなく、民主党内でも随分と問題となったようだが評価
しても良い歴訪であったのではないか。

 

共産党のように「売国外交だ」などと言っていられる立場にいるならまだしも、
憲法改正と言う積年の課題を片付けるチャンスに民主党がどう関わっていける
かを考えれば、民主党の立場もそう悪いものではないかもしれない。前原代表
は帰国後、「もし、自分たちに都合の悪いことを言う(日本の)国会議員に会
わないという姿勢なら、靖国問題が解決しても日中間の問題は永遠に解決しな
い」と述べ、中国側の対応に不満を示している。しごく最も意見である、言う
べきことは隣国であるが故に言っておかねばならないのは間違いない。