15日発売の週刊新潮に「朝日『1面スクープ』は誤報だらけ! 『愛子さま
『義務教育費』『普天間』みーんな間違いでした」と題する記事が掲載され、朝
日新聞は同日付朝刊で週刊新潮に謝罪と訂正を求め、広告を掲載しなかったこと
を報じる記事を掲載した。週刊新潮誤報とした記事は、皇室典範に関する有識
者会議の最終報告内容をめぐる「皇位『第1子優先』適用 愛子さまの次世代か
ら」▽教職員給与の義務教育費国庫負担金をめぐる「国庫負担、中学分廃止へ」
▽米軍普天間基地移設問題をめぐる「米、『沿岸案』拒否へ」−の見出しの記事。
いずれも結果は、記事と異なる推移となった。

 

朝日新聞社広報部は「記事は途中経過が詳細に公表されていない協議・交渉内容
をその時点において十分な取材をもとに報じているもので、それらの記事を『誤
報』『間違い』と断じる見出しは事実と異なる」としている。どのメディアもス
クープをとるため必死ではあるが、スクープのための紙面作りをされても読者や
視聴者にとっては他にも知りたい情報は多々あるわけで、スクープ合戦を単純に
喜ぶ人はそう多くはないだろう。今回の週刊新潮の記事も、朝日の広報部がコメ
ントしているように、途中経過をスッパ抜いたため結果的には異なる推移となっ
たのも止むを得ないと思われる。当然、その後の推移も記事になり読者に提供さ
れているわけであるから、さしあたって問題とする必要もないはずだ。

 

朝日新聞がぶち上げたNHK番組改変問題とやらのように、結果的に真相に迫り
切れなかったと情けない釈明記事を載せるようならともかく、この手の記事は別
段珍しいものではなく訂正をする必要はない。協議や交渉が決するのを待つのも
手ではあるかもしれないが、途中経過を記事とする分には読者にとっても利益と
なるであろう。ただ、問題となるのは記事が断定的で、さも決まったかのように
書くのは「誤報」となる。週刊新潮朝日新聞に広告掲載を拒否されるのは珍し
いことではないので、「またか」と言ったところかもしれないが。