耐震強度偽装問題で、総合経営研究所四ヶ所猛・チーフコンサルタントが1
6日、国土交通省の事情聴取に応じ、平成設計に鉄筋量を減らすよう指示した
メモを自ら作成していたことを認めた。四ヶ所氏によると、このメモは今年9
月、中部地方のホテル建設に際して作成。「ホテル建設を初めて手がけた建設
会社だったので指導した」のだという。耐震強度については、「姉歯秀次・元
1級建築士以外の構造設計事務所に相談して問題がないと言われたので、自分
もそう思っていた」と話した。四ヶ所氏は、このホテルは10月7日に建築確
認が出されたと説明したため、同省で調べたところ、同じ都市に同じ確認日の
ホテルがあることが判明。このホテルは現在は工事が休止されている。同省で
は、建築確認時に提出された構造計算書に改ざんなどがないかなどを調べる。

 

指導と偽造は随分と違うと思うのだが、この総合経営研究所が黒幕である所以
はそこに尽きるであろう。とにかく安く早くを推し進める余りビルの背骨とな
るはずの鉄筋量が大幅に減らされ、耐震性に問題のあるホテルやマンションが
建設されてしまった。総合経営研究所の内河所長に先立って喚問された木村建
設の木村盛好社長は、平成設計に関して「仕事は100パーセント、総研の指
示で動いていた」と認めた。篠塚明元東京支店長も「(総研のホテル施工直接
指示は)間違いないと思う」と答えている。表裏一体の偽造が行われたきたこ
とが明らかになる中、他にも鉄筋量を減らすよう指示された設計事務所がない
か改めて調査をせざるを得ないだろう。