国連総会は16日の本会議で、北朝鮮の外国人拉致を「組織的な人権侵害」と
非難する決議案を賛成88、反対21、棄権60で採択した。北朝鮮を名指し
して非難する決議が総会本会議で採択されたのは初めて。中国、ロシア両国は
反対し、韓国は棄権した。総会決議に法的拘束力はないが、日本人拉致をはじ
めとする人権問題解決を国際社会が北朝鮮に促すもので、北朝鮮に対する圧力
となる。決議は日、米、英など45カ国の共同提案で、北朝鮮の「組織的で広
範囲、重大な人権侵害」に対し、深刻な懸念を示し、具体例として、「強制的
失踪という形の外国人拉致に関する未解決の問題」をあげ、日本人拉致問題
どに言及した。

 

国家ぐるみの拉致と言う犯罪行為がこうして国際社会で認識されるのは非常に
結構なことであろう。我が国単独で解決が難しい問題も国連の名の下、北朝鮮
に解決を迫ることが出来るのであれば、やらないよりやった方が良い。横田め
ぐみさんの偽遺骨を見破られてからと言うものの、北朝鮮拉致問題を棚上げ
し核開発を宣言するなど一向に解決へと向かう様子は無い。我が国でも残念な
ことではあるが拉致問題そのものへの感心が非常に薄れてしまい、被害者の家
族達にとってもどかしい日々が続いているのだ。小泉首相の再度の訪朝など望
む必要はないが、ここまで信義を尽くさない北朝鮮の相手をしていてもただた
だ時間だけが過ぎていくばかりであろう。

 

一方、自国民が多数拉致されているはずの韓国は棄権し、北朝鮮の人権問題に
口をつぐむ理由として韓国政府は「南北関係の特殊性」を挙げてはいるが、北
朝鮮の機嫌をうかがっていると見られても仕方が無いのではないか。同じ民族
であるからこそ、解決すべきことは解決せねばならないはずだ。宥和のため自
国民の安全すら保障しないと言うのであれば正に売国的好意であろう。韓国民
北朝鮮に親近感すら抱いていると聞くが、韓国の左傾向はどこまでいくのか
隣国としても放っておけない問題だ。