横路孝弘衆院副議長は14日、札幌市で開かれた「副議長就任と新年を祝う会」
であいさつし、民主党前原誠司代表が昨年12月に米国で行った「憲法改正
中国脅威」発言について、「戦前の軍部の青年将校のような発言」と痛烈に批
判した。横路氏は「副議長でなく、(民主)党員としての発言」としたうえで、
「(前原氏の主張は)党内で議論されている方向性でも何でもない」と指摘。
さらに「(今の党執行部は)小泉路線と同じ。この体制を変えなければならな
いと、菅(直人元代表)さんや小沢(一郎前副代表)さんとも一致している」
と述べた。

 

自民党の中にいても相当なタカ派と言われるであろう前原代表は、自分の信念
をストレートに発言しているため民主党内では、その発言が物議を醸すことに
なるのだろう。民主党の旧社会党グループ約20人をたばねる横路孝弘氏にと
って、考え方からして違うであろうし寄せ合い所帯ならではの脆弱性をそこに
感じざるを得ない。だが前原代表の憲法改正や中国脅威の発言は、軍部の青年
将校のような発言とは到底思えない。小泉路線と同じであるのは、確かに自民
と民主の違いを見えにくくするかもしれないが、憲法改正と言う大きな宿題を
片付ける期間のみでも協力することは出来ないものか。

 

大連立とはいかないしても、憲法改正に関しては自民・民主で十分な時間をか
けてまとめあげる。それには民主党の寄り合い所帯の中で憲法改正に反対する
であろう連中を何とかしないことには、話し合いすら覚束無い。前原代表にと
って自民党と総選挙で戦う前に自分が代表を引き摺り下ろされかねない事態だ
けは避けようと、トーンを下げてくるかもしれないが決して間違ったことを言
っているわけではないのだから、正々堂々と発言をしていただきたいものだ。
最大の敵は党内であるとは皮肉なものではないか。