ライブドア株は20日も売り注文が殺到し、値幅制限いっぱいの前日比80円
安の336円で比例配分され、約15万株の売買が成立した。ストップ安は4
日連続。ライブドア時価総額は20日現在で約3525億円。証券取引法
反事件で強制捜査を受けた16日時点の約7300億円から4日間で半減した。
20日の取引ではなお約2億8000万株の売り注文を残している。グループ
7社の時価総額も16日時点の約1兆円超から半減した。ライブドア株は00
年4月の上場以来、株式の大量分割を繰り返し、発行済み株式総数は約10億
株まで膨らんだ。時価総額も急増し、04年1月には約9000億円を超えた。
ライブドア時価総額を背景に株式交換株式分割を組み合わせて企業買収を
次々と行い、規模の拡大を続けてきた。

 

しかし、強制捜査以降は先行きを不安視する投資家の投売りが続き、関連会社
株も大きく値を下げた。グループ全体の時価総額も急速にしぼみ続けており、
今後の経営戦略に深刻な影響を及ぼしている。言わば起こるべくして起きたラ
イブドアの強制捜査であるが、昨年はニッポン放送株をめぐる戦いでは脱法行
為とされながらも、世論の支持を集め既得権益と見られた放送業界に切り込み
をかけた姿は一部から賞賛されたものであった。日興コーディアル証券の推薦
日本経団連入りするなど、着々と本業が良く見えてこない実像をはっきりと
させようと前面に出てきた中で、ついに当局のメスが入り神話を支え続けてき
たはずの株価も急落し、時価総額は半減するところまできている。

 

むろん株価そのものがライブドアM&Aの戦略上必要不可欠のものであり、
築き上げてきたライブドアグループも離合集散してしまうかもしれない。実態
が伴わないにも関わらず株価だけが高騰していくのは、それは誰の目にもおか
しな現象であったが、錬金術とまで例えられる株価高騰のための手口が徐々に
明らかになっていくことであろう。法の範囲内であったとしても、放っておい
て良い問題ではない。ライブドアに深く関わった者の自殺者まで出している今
回のライブドア・ショックは、一つのエポックとなるに違いない。