ライブドアに12・75%出資しているフジテレビジョン首脳は20日夜、「
株を買った以前に、ライブドアが違法なことをしているとは知らなかった。そ
れで損害を受けるのは困るので、場合によっては補償を求めることもある」と
述べ、保有するライブドア株上場廃止などで損失を被れば、損害賠償などを
要求することもあり得るとの考えを示した。フジテレビは資本・業務提携の一
環として、昨年5月にライブドアの第三者割当増資を440億円で引き受けた。
同首脳は「投資で損をすることは当然ある。単に損をしたから補償を求めると
言っているわけではない」としており、ライブドアが違法行為を行っていなが
ら、意図的に隠していたとの疑念を示した。

 

ニッポン放送株の攻防戦でライブドアに煮え湯を飲まされたフジテレビにとっ
て、やむなく和解・提携をしたものの今回のライブドア・ショックにより、よ
うやく大手を振ってライブドアと縁を切れることになったわけだ。フジテレビ
と同じフジサンケイグループ産経新聞は、ライブドアを徹底的に叩く立場に
回っており、昨年の恨みを晴らそうとでも言おうか、読者としてはその執念を
別のところに向けて欲しいものだが、好調だった平均株価を一時的にせよ一気
に押し下げた「事件」だけに徹底的な追及は必要だろう。とかくグレーゾーン
を突いたライブドアのやり口は批判され続けてきただけに、ライブドア経営陣
の責任は重いはずだ。

 

何よりも東証がシステム的に注文を捌ききれずに売買停止まで取るほど、脆弱
なシステム構築しかしていなかったことが明らかになっただけでも、ライブド
ア・ショックの意義はそれなりにあったと思われる。ハイテクに強いはずの我
が国において、デイトレーダーによって取り引きが急激に拡大するのを黙って
放置しておいたのか。ニューヨーク、ロンドンの取引所と比肩するなどとおこ
がましい話だ。世界に恥を晒した東証は、市場の運営者としての自覚に欠ける
点があったのは余りに情けないことである。