ライブドアグループによる証券取引法違反事件で、東京地検特捜部は23日、
同社社長、堀江貴文容疑者らを同法違反容疑で逮捕した。特捜部は同日、堀江
容疑者を初聴取。関連会社の株価をつり上げる目的で、会社買収などの際に虚
偽の事実を公表した偽計や風説の流布の疑いについて、指示・関与や違法性の
認識について説明を求め、立件は可能と判断したとみられる。今後、ライブド
アの粉飾決算疑惑についても追及する。IT時代の寵児による事件は、重大な
局面を迎えた。こうした事態を受け、堀江容疑者ライブドア社長辞任は避け
られない情勢だ。

 

ほかに逮捕されたのは、財務担当の宮内亮治取締役、関連会社の「ライブドア
マーケティング」の社長を兼ねる岡本文人取締役、金融子会社「ライブドア
ァイナンス」の中村長也社長ら。文字通りライブドアグループの崩壊の序曲と
なるであろう経営陣の逮捕であるが、早くも外資投資ファンドライブドア
の買収を検討していると取り沙汰されるほど動きが激しいのが印象的である。
時価総額経営を標榜してきたからには、グループの時価総額は株価の連日のス
トップ安で、強制捜査前の16日の1兆円強から約4000億円となり、6割
以上も減少した現状は、虚飾に覆われたグループが実態をあらわにしたと言っ
ても良いかもしれない。

 

我が世の春を謳歌していたはずのライブドアグループも、よもやこうもあっけ
なく崩壊していくとは経営陣だけでなく、従業員も呆気にとられているに違い
ないが、買収してきた企業も別の企業の手に渡るのか、正に生き馬の目を抜く
ようなことも有り得るであろう。ライブドアが虚飾を塗り重ねて大きくなって
きたことが明らかになれば、それはそれで止むを得ないかもしれない。大きな
可能性をインターネットに見出した堀江氏も原点に立ち返って欲しいものだ。