小泉純一郎首相は26日午後の衆院予算委員会で、昨年の総選挙で自民党がラ
イブドア前社長の堀江貴文容疑者を支援したことに関連し「批判は甘んじて受
けるが、小泉改革をしているから、こういう問題が起こるというのは別問題だ」
と述べ、構造改革が事件の背景にあるとの見方に反論した。竹中平蔵総務相は、
自らが堀江容疑者の選挙応援をしたことについて「容疑が事実なら、見抜けな
かった不明について反省すべきを反省する」と述べた。安倍晋三官房長官は、
耐震強度偽装問題に絡み小嶋進ヒューザー社長が安倍氏の秘書に国土交通省
部へ電話をしてもらったと証言したことについて「小嶋氏とは全く面識がない」
と述べ、重ねて関与を否定した。

 

順風満帆に始まるかと思われた通常国会は、小泉首相にとって思わぬ逆風に見
舞われ防戦一方であるかのように見えなくは無い。だが、ライブドア経営陣の
やったことと小泉改革がどう結びつくのか、民主党の批判はいまいち的を射て
いないのではないか。規制緩和を始めとする改革は歴代政権が行ってきたこと
であるが、この手の金融市場を舞台にした犯罪行為は改革によって助長される
のではなく、法の抜け道をあの手この手で開発する者がいるから起こるのであ
って、何も改革で犯罪者が多数生まれたわけではなかろう。法の整備で未然に
防ぐのが理想であろうが、正に「想定外」のことは常に起こるものだ。

 

堀江氏の「金で何でも買える」と言った発言はメディアを通じて増幅され、そ
れが世の風潮であるかのようにメディアが批判すると言う構造があったのも忘
れてはならない。数字に繋がるように発言を切り張りして、さもその発言だけ
が堀江氏の人柄をあらわしているかのように報道し、そしてまた撮りだめた映
像をワイドショーで垂れ流し続けているのだ。今朝の天声人語はメディアのせ
いにするなと言わんばかりの論調であったが、メディアの罪もあることは潔く
認めたらどうか。都合の良い切り張りと編集権を同じ俎上で論じる方がよっぽ
どみっともない行為だ。