ライブドア平松庚三社長は27日、大株主であるフジテレビジョン日枝久
会長、村上光一社長らと事件後初めてトップ会談した。会談後に記者会見した
村上社長によると、平松社長は「迷惑をおかけしました」と謝罪し、今後の経
営再建に「協力してください」と要請した。記者会見の中で、村上社長は、ラ
イブドアとの関係について「いろんなことが視野に入っている」と語り、業務
提携の拡大や、資本提携の強化、買収など複数の選択肢を検討し、支援の道を
探っていく考えを示した。ただ村上社長は、経営分析の結果次第では、資本を
引き揚げる可能性も指摘した。

 

ライブドア本体の魅力と言うものは知名度は高いが利用度は低いポータルサイ
ト程度のもので、後は関連の証券会社や消費者金融などくらいのものである。
せっかく傘下におさめたセシールやジャック・ホールディングス(現ライブド
アオート)は早くもライブドアと距離を取り始めていると見られ、実体のある
部分がライブドアから離散していく展開が容易に想像がつく。そこで一応和解
し、業務提携までこぎつけていたフジテレビに協力を依頼し、ライブドア本体
を強固にすべるためのトップ会談となったのであろう。いろんなことが視野に
入っているとの村上社長の言葉は額面通り受け取っても良さそうだ。

 

フジテレビにとっても天敵だった堀江氏を始め旧経営陣が一掃されるのであれ
ば、ライブドアと手を結んでも寝首をかかれることもないと判断したのか、何
らかの経営判断がされたと思われる。昨日の敵は今日の友ではないが、地に堕
ちたライブドアを救うのは至難の業であろう。証券市場を襲ったライブドア
ショックも日経平均が事件前の水準を超え、市場は落ち着きを取り戻しつつあ
る。時価総額世界一を目指した堀江氏のライブドアは、氏の手を離れ健全な形
で成長していけるか、まだまだ予断を許さない状態だ。